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2015-01-30 | ブログ, 大家族モノ

『激闘大家族』濱本家

長い間更新していないのに突然アクセス数が上がったのは、一昨日放送の『激闘大家族スペシャル』の影響に違いない。

朝日新聞の「試写室」(番組紹介欄)には、「15歳で大量の料理を準備する次女、12歳で下の子をあやし続ける長男、不幸な過去を胸に子には無限の愛を注ぐ母。ついに家族が増える場面では、見ているこちらも胸がいっぱいになった」とある。

前の渡津家のこともあるのであまり参考にはならないが、ビッグダディや渡津家のような「毒系」大家族ではなく、石田さんチや加藤家のような「ほのぼの系」大家族なのだろうと予想し、録画を観た。

主役は34歳のお母さん。1歳のときに実母が出奔。父親が再婚し、継母の虐めに遭って児童養護施設に入所。実母が迎えにきて出所するが、今度は実母の再婚相手である継父の虐待に遭い、15歳で家出、結婚、17歳で長女を出産。4人の子どもをもうけたところで離婚。その後、現在の夫と出会い、さらに2人出産、計6人の子の母となった(番組の最後にもう1人産んで7人に増える)。

つまりお母さんは、「実父・継母」「実母・継父」の2組の親のいずれからも虐待を受けたことになる。そこから脱出し、おそらく生きるために結婚、離婚、再婚し、現在は子宝に恵まれて幸せなようだ。

渡津家のお母さん同様、結婚すればどうにか生きられるということを教えてくれる。実にありがたい教えである。

「今度はいつにする? 夏生まれは3人いるから、今度は秋にしよう」「次で最後にしよう」と言った会話から、意外にも濱本夫妻が計画的に子作りをしていることがわかる

また、濱本家は子どもの教育費は一切かけない主義のようだが、その分(?)生活費を切り詰めている様子なない。

したがって、私流「大家族モノの条件」に照らし合わせると、「計画的大家族」で経済的に余裕があり、夫婦仲がよい濱本家は、大家族番組としてはつまらないということになる。

しかしそれはビッグダディ家や渡津家のような「毒系」に慣らされてしまったからであり、本来こうした「ほのぼの系」こそが大家族モノのあるべき姿なのかもしれない。

お母さんが17歳のときに産んだ長女が、今回17歳で非婚初出産。このあたり、渡津家の三女と相通ずるものがあるが、育児放棄した渡津三女と異なり、濱本長女は生まれてきた子どもを大切に育てている。

そして、大家族番組史上、一番いい子かもしれないと感じたのが15歳の次女。

スタッフの問いかけに、汚れた大人たちにとっては想定外の言葉を返していた。

(次女)「最近、お母さんに似てるって言われる」

(スタッフ)「(太ってるオバサンに似てるなんて失礼だよね)うん、それで?」

(次)にこにこ笑いながら「うれしい」

(ス)「お姉さんが17歳で妊娠したって聞いたとき、どう思った?」

(次)にこにこ笑いながら「子どもからしたら、若いお母さんがいいと思う」

(ス)長女が無事出産したと聞き、料理をしながら涙ぐむ次女に「(お母さんがお姉さんに付きっ切りで留守だったから)毎日家事をして辛かった?」

(次)「違う。安心して涙が出た」

とまあ、こんな感じ。

次女は家計を考えて、中卒で就職。そして、番組の最後、丸刈りで登場。

お母さんによれば、遊びを優先して仕事を辞め、勝手な外出を繰り返すことへの罰として丸刈りにしたという。

スタッフは突っ込まなかったが、次女の顔は腫れ、痣もあった。

やたらと逞しいビッグダディ家や、軽い取っ組み合いはあっても一方的な暴力はなさそうな渡津家にはない「暗いもの」を見た。「ほのぼの系」どころか、最悪だ。

お母さんは17歳で出産したとき心細かったから、長女には同じ思いをさせまいと、産院にずっと付き添った。でもこのままでは次女が家を出て、お母さんと同じ思いをすることになるのでは?

番組スタッフ、どう思う?

 

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