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著書

『生理用品の社会史―タブーから一大ビジネスへ』(ミネルヴァ書房)

いまや日本の生理用品の性能は世界最高水準にある。しかし、半世紀前に使い捨てナプキンが開発される以前、日本の女性たちは、かなり不自由な経血処置を行っていた。

なぜ日本では長い間、生理用品が進化しなかったのか。そしてなぜ、短期間で進化を遂げることができたのか。また、日本ではタンポンの普及率が低いが、これにも理由がある。

本書第1章では、古代からアジア太平洋戦争までの経血処置の方法について、第2章では、生理用品の進化を阻んだ月経不浄視について、第3章では、50年前、日本の一主婦が生み出した使い捨てナプキンの元祖「アンネナプキン」のデビューと引退についてまとめた。第4章では、今日の使い捨てナプキンの性能と、使い捨てであるがゆえの問題点に触れ、愛用者を増やしつつある「布ナプキン」にも注目した。無責任な「使い捨てナプキン有害論」や、「経血不潔視」と「月経不浄視」の混同については、批判を行っている。最後に、欧米発の「レンタルナプキン」「月経カップ」「一五分月経法」など耳慣れない経血処置についても触れた。

女性と生理用品をめぐる環境には、その社会の月経観や女性観のみならず、政治や経済も反映される。生理用品は、社会を計る指標といえよう。

 


『「オバサン」はなぜ嫌われるか』(集英社新書)

誤解されることが多いのですが、本書は「オバサン」が嫌われる理由を書いた本ではありません。「おじさん」よりもはるかに多くの意味を背負っている「おばさん」という呼称や、女性に対する年齢差別、そして「おばさんは図々しい」という〈定説〉について考えた本です。

(以下、本書「はじめに」より)道路で前を歩いている中年女性がハンカチを落としたとする。子どもなら迷わず「おばさん、ハンカチ落としたよ」と呼びかけるだろう。しかし、多くの大人は「おばさん」ではなく、「あの~」とか「ちょっと」とか「すみません」と呼びかけるのではないだろうか。親戚のおばさん以外の人に「おばさん」と呼びかけることに、ためらいを感じるからである。

「おばさん」は「おばさん」なのだから「おばさん」と呼べばいいではないか、という意見もあろう。しかし、40代女性では65.3%、50代女性では54.6%、60代女性でも45.6%が、「おばさんと呼ばれることに違和感を感じる」というデータもある(朝日新聞アスパラクラブ会員アンケート)。

「おばさん」という言葉が、呼ばれる側に違和感、あるいは不快感を生じさせ、呼ぶ側を躊躇させる理由はいくつかあるが、一つは〈女は若いほうがいい〉という価値観の浸透である。もちろん、男性も若さが重視されることはあるが、女性の比ではない。

このことは、男性に年齢を聞くことは失礼ではないけれど、女性に年齢を聞くことは失礼だと考えている人が多数いることからも明らかであり、裏返せば、年齢を隠す女性も多いということになる。

実際、女性芸能人が年齢を非公表とすることは珍しくない。なかには何歳かサバを読み、年齢を詐称する人もいる。いつまでも若く美しく自身を保つことが仕事でもあり、実年齢よりも若い役を演じることもある芸能人にとって、年齢を公表することにメリットはないのかもしれない。

一般の女性たちも、一定の年齢を過ぎると年齢を隠す傾向があり、職場やサークル、PTAの集会など、さまざまな年齢の女性が集まる場では、自分から年齢を明かすことはあっても、尋ねることはしない。どちらかというと、若い女性ほど年上の女性に年齢を尋ねることは無作法だと感じているようだ。つまり、若い女性ほど年をとることに対するマイナスイメージが強いのである。

こんなふうに書くと、「本当に年なんか気にしていないのだから、言う必要もないし、聞く必要もない」という言葉が返ってきそうだが、そういう人のなかには、自分の年齢を隠したいがために、意固地になっている人もいるのではないか。

そもそも、日本で暮らしていて年齢を隠しきるなどということは、無理である。結婚、喫煙、飲酒、選挙についての資格は、すべて年齢で規定されているし、事件や事故に遭遇した場合も、氏名と年齢が報道されるのである。実生活でもあらゆる書類に年齢を記入しなければならず、それらをすべて人の目に触れないようにするなどということは、不可能である。不可能に挑み続けるということは、多大なストレスを生むことになる。

本書ではまず、女性が年齢を隠したくなる理由、あるいは女性の年齢が意味するものについて、芸能人の年齢詐称、出産限界年齢や石原元都知事の「ババァ発言」、中高年女性の就職問題などに触れながら探っていく。次に、「おじさん」よりもはるかに多くの意味を背負っている「おばさん」という言葉、さらに「おばさんは図々しい」という〈定説〉についても考えてみたい。

現在進行している少子高齢化は、ややもすると子どもや若者を尊び、高齢者を邪魔者扱いするような思考を生みやすい。また、出産が歓迎されるあまり、産まない女性に対する視線も厳しくなりがちである。本書がそうした風潮についても考えるきっかけになれば幸いである。

 


『月経をアンネと呼んだ頃―生理用ナプキンはこうして生まれた』(ユック舎)

27歳の主婦坂井泰子さんがアンネ社を設立し、アンネナプキンを世に送り出したのは1961年。高度経済成長のなか、女性の社会進出が一気に加速した時期である。女性の社会進出を支え、その女性たちによって消費されたのが、アンネナプキンだった。(「BOOK」データベースより)

高度経済成長の中、女性の社会進出を支え、その女性たちによって消費されたアンネナプキンを世に送り出したアンネ社。設立者の坂井泰子さんとアンネ社について、元社員らの話や資料、雑誌記事などを中心にまとめる。(「MARC」データベースより)

 


『月経と犯罪―女性犯罪論の真偽を問う』(批評社)

1974年に起きた甲山事件―警察は、事件関係者の女性全員に月経日を申告させ、無実の女性を逮捕する根拠とした。それから30年。今も犯罪学のテキストには、月経と殺人、放火、万引きとのかかわりが説かれている。月経は本当に犯罪の引き金となるのだろうか?神近市子によるアナーキスト大杉栄刺傷事件、女優松井須磨子の自殺など大正時代の事例から、ロンブローゾ以来の”女性犯罪論”、最新の”医学的根拠”までを徹底検証し、”犯罪における月経要因説”の信憑性に迫る。(「BOOK」データベースより)

月経は本当に犯罪の引き金となるのだろうか? 女優松井須磨子の自殺など大正時代の事例から、ロンブローゾ以来の「女性犯罪論」、最新の「医学的根拠」までを徹底検証し、「犯罪における月経要因説」の信憑性に迫る。(「MARC」データベースより)