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2013-08-18

NHKドラマ10『激流』

NHK「ドラマ10」は二度と観まいと誓いながらも観てしまって後悔し、再度固く誓ったにも関わらず、「柴田よしき原作」に期待して観始めた『激流~わたしを憶えていますか?~』

ミステリーとしては中途半端、群像劇としては陳腐だった。

中年になった同級生たちが、何かと理由をつけては深刻顔で集い、外に出ると必ず横一列に並んで歩く。山の上で並ばれたときには「八ツ墓村か?」と思った。

懐かしいというか、古臭いというか。群像劇としては、90年代はじめにやっていた野島伸司脚本の『愛という名のもとに』から、全然進化していない。

ちなみに、『激流』で銀行員の「サバちゃん」を演じていた山本耕史は、『愛という名のもとに』で高校生を演じていた。芸歴が長い。『激流』の同級生たちの中で一人だけ老けているような気がしたが、どうりで。

中盤、肝心の謎解きは停滞したまま、彼らの超手近な恋愛や、ともさかりえの弾き語りにつき合わされてゲンナリ。武田真治の“高速車椅子”の演技を見たときは、失礼ながら笑ってしまった。

最終回、「冬香」の不幸にかこつけて、今後も定期的に会うことを約束する、下心丸出しの同級生たち。

ダシにされるくらいなら、忘れてくれたほうがマシ、と「冬香」は思っているのではないだろうか。

(文中、敬称略)

 

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