2011-12-25
昭和19年、1万円の価値
NHK『カーネーション』は、終戦前年の昭和19年(1944年)4月。
あと1年と4ヵ月で戦争は終わるのだが、もちろんドラマ中の人たちは知らない。
あと少しの辛抱だ!と教えてあげたくなる。
23日(第71回)の放送では、主人公糸子(尾野真千子)の幼なじみで、料亭を営む奈津(栗山千明)が、店の借金1万円の金策に奔走するも、夜逃げしてしまう。
当時の1万円は、どの程度の価値なのだろう?
週刊朝日編『値段の明治大正昭和風俗史』『続・値段の明治大正昭和風俗史』を参考に、調べてみた。
戦時中は物価統制もあり、さらに終戦による物価変動も大きいため、かなり大まかだが、ざっと「豆腐が10万丁買える金額」あるいは「都電に10万回乗車できる金額」である。
(昭和19年当時、豆腐一丁が10銭、都電乗車賃が10銭)
わかりづらいので、昭和19年当時、ちょうど1万円くらいのものを探してみたら、グランドピアノが3087円~1万1760円だった。
ちなみに同時期、アップライトピアノとオルガンが、それぞれ1583円~4512円、69円~2203円。
(ピアノ、オルガンについては、いずれも公定価格。昭和14年〔1939年〕の価格等統制令によって、価格の上限が決められた)
一番高いグランドピアノと同じくらいということになるが、これもわかりづらい。
昭和19年当時、巡査の初任給が45円。
早稲田大学と慶応義塾大学の文系学部の1年間の授業料が、それぞれ340円と350円。
銀座「三愛」付近の地価(一坪)が、昭和11年にちょうど1万円。
昭和17年に、一坪1万2000円。
昭和19年は不明で、戦後の昭和22年には、いきなり15万円。
もうすぐお正月。
現代では、1万円はお年玉の相場である。
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