2012-07-31
『評伝 ナンシー関』
ナンシー関の文章が好きだった。
職場で、『週刊文春』のナンシーのコラムを読んでいたら、同僚に「中村うさぎのほうが面白いよね」と言われ、この人とは合わない……と思ったものだ。
ナンシーが亡くなって10年。評伝が出た(横田増生著、朝日新聞出版)。
読みたいと思っていたら、一昨日の読売新聞に、星野博美さん(ノンフィクション作家・写真家)の書評が出ていて、こんなことが書いてあった。
以下引用> 最後に一言。ナンシー関ほど非凡な女性が命を削って仕事に没頭したことや結婚しなかった理由を、体重や容姿に求めようとする著者の無意識な男目線には落胆した。彼女は本当に長生きすべきだった。生きていれば、反論できたのだから。
それが本当なら、ナンシーを冒涜している。
(生きていたとしても、反論する人ではないと思うが)
そんな本なら、読みたくない。
でも、ほかの書評をあたると、「誠実かつ真摯な人物伝」「純粋な敬意に満ちた評伝」というものも。
ナンシー自身は、この評伝をどう読むだろう。
自分の顔と、その脇にひと言、感想を彫ってほしい。
もう叶わないけど。
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