2012-12-05
『ゴーイング マイ ホーム』の「あれ」
阿部寛・山口智子主演の『ゴーイング マイ ホーム』(関西テレビ)。
初回、あまりに展開がなく、次が観たいという気にならなかったうえに、2回目はスポーツ中継で延期。
観るのをやめようと思ったのだが、『結婚できない男』(関西テレビ)系の阿部寛の演技は観たいし、信頼をおくブログの評価が高いので、とりあえず観続けることにした。
すると、映像、音楽ともに心地よく、展開を期待するドラマではないのだと納得。
登場人物のキャラクターが丁寧に描かれているので、いずれかの人物に身近な人を投影しながら観てしまい、それも面白い。
ただ、一つだけ気になるのが、セリフに「あれ」が多過ぎる点。
適切な言葉が浮かばないときに使う「あれ」である。
現実にはよく耳にする言葉だが、ドラマではあらかじめセリフが用意されているので、滅多に聞かない。
特定の人物が口ぐせとして使うのであれば、会話にリアリティが出るが、このドラマでは、吉行和子、西田敏行のみならず、比較的若い阿部寛、山口智子、YOU、安田顕その他、皆が皆、「あれ」を連発。
ドラマは、基本的に一人の人間が登場人物全員のセリフを考えるわけだが、皆が口にする「あれ」によって、是枝監督という神様が、役者というコマを動かしている様が、露骨に伝わってくる。
そこに何か狙いがあるのか?
「あれ」が気になるものの、終わるのが惜しいドラマである。
(文中、敬称略)
追記:12月11日放送の第9話では、なぜか誰も「あれ」と言わなかった。
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