「大家族モノ」の条件
『痛快!ビッグダディ 15 ゴールデンウィークSP』(テレビ朝日)。
すでにネタ切れな感があった第14弾から、1ヵ月足らず。
今回のクライマックスは、ビッグダディの検査入院。
大腸がんを疑ったビッグダディだったが、結果は痔。
「な~んだ」と思ってはいけない。本当によかった。
観たものの、触れなかったが、4月12日には、『激闘大家族スペシャル 帰ってきたあの加藤家五男三女10人大家族に完全密着! 29歳美人妻854日の奮闘記!』(TBS)をやっていた。
「(妻の)莉佐さんの両親は幼い頃に離婚。その後父方の祖母に引き取られて育ったものの、『家族』の憧れが強く早く家庭を持ちたいと思っていた。そんな中、大さんと出会い18歳で結婚。大さんも子供好きとあって子供いっぱいの笑いの絶えない家庭にしたいと…この10年で8人の子供を出産。10人までは欲しいと話している」(番組HPより)
つまり加藤家は、石田家(日本テレビ)と同様、「計画的大家族」なのである。
(ビッグダディ家と、テレビ東京の渡津家は「無計画大家族」)。
そして、石田家と同様、経済状況も悪くない。
結婚記念日には、夫婦揃ってこれまでの生活をしみじみと振り返り、幸せを噛み締めながら涙ぐむ。
エンディング曲は、『Let It Be』と、どこまでも「感動的」。
でも、面白くなかった。
大家族モノは――
1 「計画的大家族」より「無計画大家族」のほうが面白い。
2 経済的余裕がないほうが面白い。
3 両親が喧嘩するほうが面白い。
4 親の子どもたちに対する愛情が絶対条件である。
加藤家は、4しか当てはまらないが、じつはこれが最も重要である。
だから、面白くはないが、好感度は高い。
かつてTBSの大家族モノといえば、「青木家」だったが、青木家には4が欠けていた。致命的だった。
石田家は、1と2が欠けているが、3が圧倒的に面白く、4において信頼できるので、支持者が多い。
渡津家は、1と2が抜きん出ている。
そして、私はいつも励まされる。10人の連れ子がいても再婚できるんだ、と。
ビッグダディ家は、1から4まで、すべて揃っている。
ただ、夫婦喧嘩は石田家ほど面白くないし、子どもたちが怯えているので、3は要らない。