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2013-11-09

映画『飛べ!ダコタ』

久しぶりに映画館へ出かけた。

最後に出かけたのは、1998年(前世紀!)上映の『アルマゲドン』なので、実に15年ぶり。

当時は、とくに観たい映画がなくても、暇つぶしに出かけていた。

『アルマゲドン』は、設定が深刻(地球滅亡の危機)なわりに展開が粗末すぎて、後半白けきっていたところ、隣で夫が滂沱の涙を流していることに気づき、ますます白けたのだった。

それと私は、映画館で(というよりどこにいても)他人のマナーが気になって仕方がないタイプ。

つまらない映画だと、「つまらない上に観客のマナーが悪い」と感じるし、面白い映画だと、「せっかくの面白い映画が台無し」と感じる。

1年くらい遅れても、自宅で観た方がマシ、と悟って15年が経過していた。

重い腰を上げて出かけた映画は、『飛べ!ダコタ』。

理由は、毎夏お世話になっている佐渡が舞台で、佐渡の多くの方々の協力によって作られた映画だから。

つまり、内容に期待したわけではなく、お付き合いのつもりだった。

しかし、いい意味で予想外の映画だった。

粗筋は、あらかじめ知っていた。

「ネタバレ注意」と断るまでもなく単純。

終戦直後、佐渡にイギリス機が不時着し、再び飛び立つまでの間、島民たちとイギリス人たちが心温まる交流をするという、実話に基づいた「いい話」。

しかも、ヒロインの比嘉愛未をはじめ、登場人物が全員、地味。とくに誰かがカッコよかったり、活躍したりするわけでもなく、淡々とエピソードが重ねられていく。

しかし、そこに一本貫かれているのが、きれいごとではない反戦思想。

終戦後半年足らずで、こんなに頭が民主化されているかな、と感じたセリフは多々あったが、そんなことは全然、気にならなくなってくる。

イギリスの兵隊さんたちは、いい人だ。鬼畜米英だなんて、軍部に騙された”と話す女性(角替和枝)に、“軍部だけが悪いわけじゃない。私たちみんなが戦争を始めたんだ”と村長(柄本明)が諭すシーンなど、明らかに今日的理解が反映されている気がするが、これは、ボーッとしているとまた同じような時代が来るぞ、という警告に他ならない。

同じく飛行機をモチーフに戦争を描いている『風立ちぬ』に比べ、ほとんど周知されていない『飛べ!ダコタ』。

単館映画だが、予定よりも長く上映されるのではないだろうか。

今回あらためて、私は地味で真面目な作品、モノ、人が好きなんだなと思った。

地味だが不真面目な夫は、今回も滂沱の涙を流していた。

 


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