昼ドラより昼寝
昼ドラ『ぼくの夏休み』(東海テレビ)が終わった。
「少年編(第1部)」はそれなりに面白かったが、「青春編(第2部)」はいただけなかった。
おそらく、少年編が面白かった視聴者にとって青春編はつまらなかったし、昼ドラのドロドロが好きな視聴者にとっては、少年編が物足りなかったのではないか。
少年編と青春編では、脚本家も違ったのだから、まったく別のドラマにすればよかったのに。
現代から、昭和19年にタイムスリップした兄妹。
7月5日の当ブログ(「朝ドラより昼ドラ」)に書いたように、最終回までには、2人とも無事に現代に戻れるものと思っていた(結局、タイムスリップしたまま年をとって、現代まで生き延びることになる)。
少年編の終わりに、空襲のドサクサで離れ離れになった兄妹。
青春編が始まると、なんとタイムスリップしたまま7年が経過し、兄(井上正大)は、他人(逢沢りな)を妹と思い込んで同居していた。
その後、実の妹(有村架純)と再会するが、お互いに兄妹と気づかないまま相思相愛となり、実は兄妹だったとわかったときには、2人とも嘆き悲しむ。
現代からともにタイムスリップしたまま、離れ離れになっていたきょうだいと再会したら、ふつうはうれしいと思うのだが。
恋愛のほうが大事なんだな。
それにしても、どうして顔が違う他人を妹と思い込めるのか。どうして7年会わなかっただけで、お互いの顔がわからなくなるのか。
何十年ぶりに同窓会で会った友人でさえ、ほとんど誰だかわかるのに。
――というような突っ込みを入れていくと、キリがない青春編だった。
昭和27年なのに、路地にエアコンの室外機があったり、路上喫煙禁止の貼り紙があったりと、雑な面もあったが、青春編を1ヵ月で撮影したと聞けば、納得。
よかったのは、若手の役者。
少年編、青春編とも出演した元女郎役の伊藤麻実子は、今後、いっきに仕事が増えそう。
ヒロインの有村架純と、ニセ妹役の逢沢りなは、見た目も演技力も申し分なく、順調に育ちそう。
村井美樹、仲間リサと、脇役も美しかったが、仲間リサの演技には、だいぶ前に長谷川理恵の演技を観て以来のショックを受けた。きれいなのに、もったいない。
「少年編」派の私には、次作『赤い糸の女』は面白くないと思うので、もう昼ドラは観ない。
昼ドラより、昼寝。
(文中、敬称略)