親切な履物店さんから下駄について学ぶ
また出版する当てのない原稿を書いている。
過去に出した4冊ともすべてそうだった。全部書き終えてから出版社を探すというかなり能率の悪い手法をとっている。そのやり方が定着してしまった。
数年かけても出版できないかもしれないというリスクはあるが、時間をかけて丁寧に書けるというメリットもある(もちろん、その分貧乏になる)。
今日、明治時代の雑誌記事を引用していたら、数種類の下駄が出てきた。それぞれの違いがわからない。ネットで調べてもよくわからない。
品川にある丸屋履物店さんのウェブサイトが詳しく、メールアドレスも載っていたので、図々しく質問してみた。
もちろんそういう目的のためにメアドを掲載しているわけではないだろうから、もしできましたらご教示下さい云々という前置きは当然つけた。
実はこの手の問い合わせはしょっちゅうしている。
例えば『生理用品の社会史』を書いているときは、複数のドラッグストアに、生理用品を中身の見えない袋に入れる理由を教えてください、という質問をし、不審がられた(ちなみに私は中身が見えない袋に入れることに反対の立場ではない)。
『「オバサン」はなぜ嫌われるか』を書いているときも多くの企業に問い合わせをしたが、一番親切だったのはヤクルトだった。
「ヤクルトおばさん」という呼び方をやめた理由を教えてください、という質問に、丁寧に明確に答えてくださった。
相手にとって何のメリットもない、しょうもない質問に丁寧に答えてくださると、とても感激する。
そして今日問い合わせをした丸屋履物店さんも、メールを送るや否や、とても丁寧でわかりやすい説明を返してくださった。本当にありがたい。
というわけで、今日は本文とはまったく関係ない下駄について勉強し、その経緯をこうしてブログに書くことで1日が終わった。
だから1冊書くのに時間がかかるんだな、と自分でも納得。