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2014-05-25

沢口靖子の「霞夕子」

『金曜プレステージ』「検事・霞夕子」シリーズは、2時間ドラマの中で例外的に面白い。

2011年の「無関係な死」2012年の「年一回の訪問者」もよかった。私はこういうジメジメした話に共感しやすい。今回の「不能犯」はジメジメ感はなかったが、犯人に共感した。

床嶋佳子の霞夕子も悪くなかったが(桃井かおりはガラ悪すぎ、鷲尾いさ子は演技下手すぎ)、私は沢口靖子演じる霞夕子とその家族が好きだ。

家事一切を取り仕切る母松原智恵子、夕子の実家の寺を継いだ夫ダンカン、小学生の娘。

母と夫の仲は円満、娘は母思い。

いつも見ながら最初に思うのは「ダンカン下手」。

もちろん沢口靖子も下手で、以前は気になったが、あるとき『婦人公論』のインタビュー記事に“演技が下手なので努力しつづける”といったことが書いてあり、その謙虚さに恐れ入った。以来、気にならなくなった。

ドラマの内容はさておき、最後に描かれる夕子の家族の光景が、今回もまた心に沁みた。

事件解決後のこういう場面は、殺伐とした事件モノの口直しなのだろうが、『相棒』の「花の里」、ちょっと古いが『はぐれ刑事純情派』真野あずさの店の場面など、要らないと思っていた。ましてや原日出子のテニスウェアとか(これも古い)。

でも霞夕子家の団欒は不可欠。今回、夕子と娘の思い出の絵本として登場した『コンとあき』(林明子作)は私も大好きで、本棚にある。今日あたり、売れてるんだろうな…

(敬称略)

 

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