2012-03-06
NHKドラマ10『タイトロープの女』
『タイトロープの女』(NHKドラマ10)は、地味で先が読める展開だったが、後味のよいドラマだった。
「なさぬ仲」を演じた池脇千鶴と高岡早紀は、好対照。
売れないピアニスト役の池脇は、リサイタルの衣装を着けていても、地味。
その父親の元愛人で現妻の高岡は、喪服でも派手。
2人が対立しつつも最後は歩み寄るであろうことは、女同士が手を取り合うエンディングの映像から読めるのだが、このわかりやすい映像が悪くなかった。
一時、大石静や内舘牧子らが得意とする、女同士の争いを描くドラマが多く、食傷した。
(最近では、『蜜の味~A Taste Of Honey~』が典型)
これでもかと人の醜い面を描きだすのは構わないが、それがまるで女の性(さが)であるかのような錯覚を与えるのはいかがなものか。
そういう意味で、『タイトロープの女』は後味がよかった。
最後の再会のシーンはベタすぎたが。
「いい人」を演じる本田博太郎を初めて見た。
(文中、敬称略)
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